コーヒーを焙煎する楽しさは、なんと言っても豆の個性を実感できるところだ。
例えば、コロンビアは幼稚園児。
1ハゼが始まると「焼けたよ焼けたよ」と豆が一斉に騒ぎだす。2ハゼになると「出してよ、出してよ」と知らせてくる。
愛い奴(ういやつ)め、と張り切って釜から出すと、いい香りを出しながら喜んでハゼている。
例えば、ブラジルは同僚あるいは上司。
とっつきやすいようで、なかなか見えない。
反応と実態が同じなのか、時々不安になる。
例えば、モカは銭湯で真っ赤になるまで踏ん張るおじいちゃん。「辛抱せえ辛抱せえ」とギリギリまで耐えさせる。もうええやんね、と釜から出しても可愛らしさはない、でも飲んだ時にウンマーと有難さを感じる。
そうゆう豆の様子や声を聞きたくて、焙煎中は豆と対峙し会話している。
釜の温度や火力とか数字で見えることもあってそれでコントロールもするけれど、豆との会話が私にとって1番のリアルだなぁ。
パチパチ、かちゃかちゃ。
今日も賑やかな会話が続く。