焙煎度と体積の関係
焙煎度が違うと同じ質量でも見た目はこれだけ違う
同じグラム数(質量)であっても、深煎りの方が見た目(体積)は大きくなります。
写真は当店の商品画像になり恐縮ですが、同じ質量のすっきりブレンド(左)とこっくりブレンド(右)です。
すっきりブレンドは浅煎り、こっくりブレンドは深煎りのブレンドです。
上が豆、下が粉にしたものですが、同じ質量であっても深煎りの方が体積が大きく、多い分量に見えます。
写真で見比べてみるとよくわかりますね。
深煎りになるにつれて体積が大きくなる理由
それは焙煎時間が違うからです。
深煎りになるほど焙煎時間が数分単位ですが長くなります。
パッフィングという現象が起こり、焙煎時間の長さによってコーヒー豆の状態が変わってきます。
①パッフィングとは
コーヒー豆を焙煎していると、「パチパチ」「ピチピチ」というハゼ音が聞こえてきます。
このハゼは、豆の種類によって違いがあります。
ハゼの音の違いに興味を持たれた方はこちらをどうぞ
「ハゼ」について知りたい方はこちらをどうぞ。
なぜハゼが起こるのでしょうか。
それは、コーヒー豆が焙煎中に膨張してはじけるからです。これをパッフィング(膨化)といいます。
パッフィングは、コーヒー豆を加熱していくことで、コーヒー組織のハニカム構造を作っている細胞が収縮し内部成分が気化することでおこります。
コーヒー豆の構造について知りたい方はこちらをどうぞ。
コーヒー豆に含まれている水分が蒸発し、この時の水蒸気の膨張力によってコーヒー豆の組織が膨らみます。
コーヒー豆を焙煎すると、質量は焙煎前の生豆の状態の75%減、体積は1.5倍になります。
②二酸化炭素の増加
コーヒー豆の水分が除去(蒸発)した段階で、コーヒー豆内部で発熱反応が発生しています。
この発熱反応こそが、コーヒーの芳香成分が作られる大切な段階です。
お店によって同じコーヒー豆でも香りが違うのは、ここの差です。
パッフィングにより多孔質になったコーヒー豆は、この発熱反応で生まれた芳香成分や二酸化炭素を吸収します。
焙煎時間が数分でも長いと、たくさんの二酸化炭素を吸収します。
深煎豆が浅煎豆より体積が大きいのはそのためです。
ドリップの時にぶわっと膨らむコーヒードームについて知りたい方はこちらをどうぞ
まとめ
コーヒーは、焙煎が深くなるにつれて見た目(体積)が大きくなります。
それは、焙煎によるパッフィングによりコーヒー豆が膨張することとコーヒー豆が吸収する二酸化炭素の増加によるものです。
加熱によってコーヒー豆の水分が除去されるとコーヒー豆の内部で発熱反応が起こります。
発熱反応によって、あのコーヒーの芳香成分が作られています。
パッフィングにより多孔質になったコーヒー豆は二酸化炭素といっしょにこの芳香成分も吸収しています。
同じコーヒー豆、同じ焙煎度であれば、体積が大きいものの方が香りのいいコーヒーです。
2022.06.08更新