コーヒー豆になるまで

コーヒーが発酵食品??【コーヒーの精製方法】コーヒーチェリーからコーヒー豆になるまで

悩んでる人
コーヒーと発酵が関係してるって本当?

本当です。

コーヒーは発酵の力が大きく関与しています。

悩んでる人
コーヒーと発酵ってうまくイメージできないけれど、どう関わっているの?

皆さんが見慣れたコーヒー豆は、コーヒーチェリーという果実(上の写真左側)の果肉を除去し、その種子である生豆なままめ(上の写真右側)を焙煎したものです。

果肉を除去し生豆にすることを「精製」といいます。

精製方法は、大きく分けると3つあります。(くわしくは後述)

●ナチュラル(別名:乾式/ドライ方式)

●ウォッシュト(別名:水洗式/ウェット)

●スマトラ式

精製方法がたくさんある理由は、生産国の気候・地理的条件・栽培方法が違うからです。

生産国が持つ条件を生かした精製方法が取られています。

精製には発酵パワーを利用する方法があります。

この精製方法の違い、発酵の違いでコーヒーの味の違い(クリックで結果に飛びます)が出てきます。

コーヒーの精製方法の種類

悩んでる人
へぇ~コーヒー豆にする過程で発酵パワーが使われているんだね!

その精製方法について詳しく見てみましょう!

ナチュラル

ナチュラルの工程

1.コーヒーチェリーをそのまま自然乾燥

2.外果皮(パーチメント)を脱穀機で取り除き生豆にする

雨期/乾期と別れていて広大な土地があり大量生産国であるブラジルのコーヒーは自然乾燥に適しているため、ほとんどがナチュラル製法です。

果肉をつけたままである期間が長いため果実味あるフレーバーとコク、味わいがあります。

ウォッシュト

ウオッシュトの工程

1.皮むき=コーヒーチェリーの皮を剥く。

2.発酵=水槽につける 

 皮を剥いたコーヒーチェリーには、糖分の膜「ミューシレージ」がついている。

 このミューシレージが微生物によって分解される。

 水に浸ける時間がコントロールできるため、ここでコーヒーの風味が決まります。

3.水洗い=ミューシレージや残存果肉を取り除く

4.乾燥

5.脱穀により生豆を取り出す

水をたくさん使うので、生産地が山奥や近くに水源がない所ではできません。

イエメン・エチオピアなど水源がある生産国に多い精製方法で、コーヒーはクリアな酸味、爽やかな風味があります。

 

「ウォッシュト」には少し方法を変えた「セミウォッシュト」と「「パルプドナチュラル」という方法があります。

セミウォッシュト

セミウォッシュトの工程

1.水槽に入れる

2.ミューシレージや残存果肉を取り除く

3.乾燥

4.脱穀

セミウォッシュトには、ウォッシュトにあった「発酵」工程がありません。ウォッシュトの発酵過程で起きる「豆の劣化」「欠点豆の混入」といったリスク回避ができますが、1回で精製するためより多くの水が必要になります。

パルプドナチュラル

パルプドナチュラルの工程

1.水槽に入れる

2.残存果肉や外皮を取る(粘着質ミューシレージは残す)

3.ミューシレージを残したまま乾燥

4.脱穀

パルプドナチュラルの「パルプド」は日本語で剥ぐを意味しています。果肉や外側を剥ぎ、ミューシレージは残したまま乾燥させます。全てを剥ぎ取らないところが違います。この方法をとることで、フルーティな味わいになると言われています。

コスタリカでは、「パルプドナチュラル」のことを「ハニープロセス」と呼んでいます。ミューシレージの残存量で呼び名を変えているのが特徴的です。

ポイント

【ブラックハニー】ミューシレージを50%以上残し、長期乾燥させる

【レッドハニー 】ミューシレージを50%以上残し、短期乾燥させる

【イエローハニー】ミューシレージを25%以上50%未満残す

【ホワイトハニー】ミューシレージをほとんど(75%以上)除去する

スマトラ式

スマトラ式は、雨期のあるインドネシアなどにおいて乾燥期間を短くするために適用されている方法です。

乾燥期間を短い時間で回数を多くするという工夫をしています。

スマトラ式の工程

収穫した果実を

1外皮を取り除く

2.ミューシレージをつけたまま発酵槽へ入れる

3.発酵後に、ミューシレージなどの粘着物を取り除く

4.30~35%まで予備乾燥させる

5.脱穀

6.生豆の状態で、豆の水分含有量が17~20%になるまで本乾燥させる

インドネシアを代表するマンデリンは、この方法で精製されています。

酸味が穏やかでアーシーさとと濃厚なコクと余韻がある豆が出来上がります。

この方法で精製された生豆は、他のが薄茶から黄色をしているのに対し、緑色です。

まとめ

コーヒーチェリーから種子を取り出してコーヒー豆をつくるという精製方法には様々ありますが、どれが良くどれがダメというものではありません。

コーヒーの栽培地の気候条件や地理的条件に適した精製方法が行われています。

その精製方法の中には、発酵パワーを使うものがあります。

精製方法や発酵によりコーヒー豆の風味に違いが出ます。お好みのコーヒーを選ぶ時の基準の一つにしてみてはいかがでしょうか。

精製方法による風味の違い

【ナチュラル】   果実味あるフレーバーとコク、味わい

        例)サンマリノ、トミオフクダ、モカマタリアルマカ

【ウォッシュト】透明感!クリアな酸味、爽やかな風味

        例)アンティグア、グレートマウンテン エーデルワイス

【スマトラ式】   独特の香り、苦味とアーシーさ 

        例)マンデリントバコ、マンデリンレイクタワール

 

2019.09.20初出 2024.05.23改

 

 

  • この記事を書いた人

ますみ

【三代目珈琲屋】2019年より自家焙煎珈琲の通販専門店を運営▼祖父、父が珈琲屋のため幼稚園児からコーヒーを飲み、高校時代から家業の秤屋を手伝う。▼リンクを設定される場合は、LIBRA COFFEE SHOPのリンクであることを明記して頂ければ許可は不要です。

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